役員報酬、実際に支給額を決める3つの要素
役員報酬は決まったが、実際に支給する際に、源泉税などはどうしたらいいのだろうか?
素朴な疑問もよく聞かれます。今回は、実際に支払う額をどう求めるかを整理します。
役員報酬の額面から考慮する要素とは?
役員報酬の額面には、税金や社会保険料が含まれています。
よって、実際の支給額は、
健康保険料・厚生年金保険料・所得税の3つを加味して計算されます。
つまり、
A:役員報酬の額面ー(B:健康保険料や C:厚生年金保険料)ーD:源泉所得税=支給額
となります。
ただ、面倒なのが、B :健康保険料や C: 厚生保険保険が会社と折半なので1/2になること。
また、D:源泉所得税は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請 」を税務署に出していれば、
6か月まとめて納付できるので、納付時期までは「預り金」として社内で管理することになります。
健康保険料や厚生年金保険料は、折半額で
そこで、実際の健康保険料や厚生年金保険料の差し引く額は、
以下の全国健康保険協会の保険料率から求めることができます。
毎年更新されるので、必ず確認してくださいね。

この表の左の標準報酬月額のところから、該当する欄、折半額を拾います。
そして、
A:役員報酬の額面ー(B:健康保険料や C:厚生年金保険料)を求めます(=Xとします)
源泉徴収税額の求め方
次に、前で求めた「Xの額」から、毎月の源泉徴収額を求めます。
国税庁の発行する「給与所得の源泉徴収税額表」から各年度の数字をチェックします。

この表の中で、「その月の社会保険料控除後の給与等の金額」の欄で、該当するところを探します。
甲欄の扶養家族の人数の列を選び、その金額が「D : 源泉所得税」つまり、毎月源泉徴収する所得税になります。
支給額=A:役員報酬の額面ー(B:健康保険料 C:厚生年金保険料)ーD:源泉所得税
このように額面からB:健康保険料やC:厚生年金保険料を差し引き(Xとする)、
その額(X)でD:源泉所得税の額を求め、
最終的に
A:役員報酬の額面ー(B:健康保険料 C:厚生年金保険料)ーD:源泉所得税 で実際の支給額を計算できます。
そして、毎月、源泉徴収するD: 源泉所得税の額は、
・毎月納付、または
・既に税務署に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請 」を出していれば、
毎年1月10日、7月10日までに、直近の6か月分をまとめて納付
(納付時まで「預り金」として処理)
のどちらかになりますね。
慣れないと、結構面倒ですよね。
これが、社会のお金の仕組み、手取りを求める順番を理解することになります。