(1)おかねって、なぜ「お金」と書くのでしょうか?
(2)英語では、なぜ「Money」と書くのでしょうか?
(3)おかねは、これからどうなるのでしょうか?

ここでは、普段、当然のように使っている言葉について、
その語源や進化のプロセスを整理しております。


(1)なぜ、おかねを「お金」と書く?

おかねは、貨幣ですよね。
貨幣も漢字も、中国の「殷」の時代に原型ができたと言われます。
中国では、「貝殻」が貨幣として使われ始めたので、お金や財について貝編の漢字が多くみられますよね。

 

もともと日本では、

大和言葉で「かね」という言葉があります。

おかねを「金」に当てはめていったのは、金がGOLDということではなく、
やはり金属全般をさしていたからと言われています。
金や銀を重さで測って、両替もされながら流通していまたし。

大和言葉に、黄金(こがね)銅(あかがね)、青銅(あおがね)、銀(しろがね・しろかね)などがありました。
ちなみに、白金は当時まだ発見されていませんでした。

日本で馴染みのある「銭(ぜに)」は、旧字体「錢」から。
元は農具の「鋤」を意味する漢字でしたが、鍬形の貨幣があったことから貨幣の意味に転じ、
「銭(せん)」がなまって「ぜに」になったそうです。
ちなみに中国では、「銭」はチェーンと読むそうです。

 

余談ですが、

「銀行」が輸入されて日本でもスタートしたとき、Bankをどう訳すかで、
「金行」にするか、当時、議論があったと言われています。。。

「行」は、中国語で「店」を意味し、結局語呂のよい「銀行」の採用が決まったといわれています。

また、「Bank」の語源は、
12世紀頃、当時世界の貿易、文化の中心地であった北イタリアに生まれた両替商(銀行の原型といわれている)が、両替のために使用した「BANCO」(長机、腰掛)とする説があります。

(参考:日本銀行「銀行はなぜ「銀行」というのですか?また、「Bank」の語源は何ですか?」

(2)なぜ英語では、「Money」と書く?

上記の絵の中に古代ローマ、ローマの女神が書かれていますが、
貨幣の造幣所が、ローマ女神 Juno Moneta の神殿の中にあり、
その”Moneta”が「貨幣」の意味を持ち、英語の ”Money” になったといわれます。
ちなみにmonetaは「忠告する」という意味で、Juno Monetaは、結婚式で新郎新婦を忠告する女神だったのですね。

3世紀に発行されたローマの銀貨には、女神の周囲に「MONETA」の文字が刻まれています。

(3)おかねは、これからどうなるのでしょうか?

まさに、今、お金に関わる環境が変わり、資本主義をはじめ様々な限界がちらほら見え始めています。

金利を引き下げて、お金の流通量を増やし、経済を活性化させる金利政策も、世界で苦戦していますよね。

その一方で、歴史を振り返ると、以下のようにお金も、
古代から金本位制、金為替本位制、変動相場制、そして金などの価値の裏付けのない不換紙幣による経済活動にきて、また新たなステージへと進化の真っ最中といえます。

世界中には200近い通貨がありますし、
電子(デジタル)マネー・ポイント・地域通貨・オフィスコイン・暗号コイン・・・様々な手段が錯綜します。

ここで、日本円にこだわって貯めたり増やそうとしても、何かおかしいと思いませんか?
もっと視野を広くして、どんな風におかねが変遷しても、
人として生きていけるという信念と自分への信頼を持っていくことが大事なのだと思います。